新型コロナによって人との接触を減らす状況となって間もなく一年。私たちの労働環境はこの一年で劇的に変化しましたが、コロナ渦で私たちの変化に対する意識も変わりました。これで良いのだろうか?こちらの方が安全ではないだろうか?と、思ったことや感じたことを口にする場面が以前よりも格段に増えました。このように、変化に敏感になったことで良い意見がドンドン出てくるようになりましたが、意見や声が多くなったことにより、採択が難しくなったとの声も同時に聞こえてくるようになりました。

職場の安全面を重視する声と生産性を重視する声。政府や自治体などと同様に、企業にとってもどちらの声も大切ではありますが、意思決定する際にはそれらの中から状況に応じて最適な方策を採択しなければなりません。管理職ともなれば何かしらの意思決定を迫られる場面も多いと思いますが、最近の風潮により安全面や生産性のどちらかを慮るあまり、自身と異なる意見に対しての反応が薄かったり、冷たく映るということも多いのではないでしょうか。特に新型コロナに関しては人それぞれ重視するポイントが異なるため、紛糾することもあるかと思います。しかし最終的には「会社や組織のために…」という同じゴールを見ている仲間であることを前提に、オリジナルの意見に固執せず、例え一部でも同意や共感、賛同といった声が重なり合うことが重要だと私は思います。

以前より危機管理への意識が高くなったことで、良い目線の意見が出やすくなった今。互いに意見を主張し合うだけでは潰し合うような否定感を感じますが、誰かの声と僅かでも重なり合っていることを伝えた上で、そこに付け足すような意見が出せると相手は肯定感を感じ、柔和で前向きな意見交換となります。日常の対話においても、相手の声をまずは受け取り(Yes)、そこに付け加える(and…)ことで、接触機会を減らさざるをえない中でも、互いの尊重や承認を感じることができるのではないでしょうか。こんな時だからこそ、思いやりや繋がりを感じられるコミュニケーションを大切にしたいものです。

(代表取締役 高橋智仁)

 

 

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